HOME > 学びの部屋 > 自然なお産01:分娩台を使わない助産院や自宅出産のすすめ
自然なお産

自然なお産に興味をお持ちの妊婦さんへ

  • これまでのお産は自分で産んだ感じがしなかった。
  • 以前のお産は、産後に会陰切開の傷や腟の痛みが気になった。

というような違和感や悩みや、

  • 1人目は帝王切開だったので、次は自然なお産がしたい。
  • 赤ちゃんにもお母さんにも優しい、自然なお産や安産がしたい。

という思いはありませんか?

 私たち夫婦も1人目の妊娠が分かった時から、安産を目指す取り組みの中で、自然なお産というものを考えるようになりました。おかげさまで2007年に1人目を助産院で、2010年に2人目を自宅出産で母子ともに無事に迎えることが出来ました。その時の体験や学んだことを少しだけ残しておこうと思います。自然なお産や安産を目指す妊婦さんとパートナーの参考になればうれしいです。


 自然なお産や安産に対して、私たちも当初はあなたと同じような不安や悩みを持っていましたが、次の3つのポイントを大切にすることで、無事に不安や悩みを解消し、その結果として無事に自然なお産や安産を経験することができました。私たち夫婦がこれまで2回の自然なお産(安産)の経験を通して改めて大切だなと思っていることは・・・

  • 必要最小限の情報収集を行うこと。
  • 自分たちにあった助産院や助産師さんを見つけること。
  • 安産のための適切な努力を行うこと。

 もちろんこれら以外にも、妊婦健診をきちんと受診するなどの必ず守らなければならない妊婦さんのルールや初めての妊娠の場合であれば、市町村やお産を行う施設が行う『妊婦教室』などに参加されることもとても大切なことだと思います。

 しかし、いざ助産院や自宅出産を本気で検討し始めると、身近なところに助産院が無かったり、自宅出産をサポートしてくれる助産師さんがいなかったり、自然なお産に関する一部の誤った情報や偏見などがあるために十分な注意も必要です。
 分娩台を使わない自然なお産を目指されるなら、経験が豊富で信頼できる助産師さん、そして、安産に向けて妊婦さんの身体作りとココロの作りをサポートしてくれる専門家と一緒に取り組みを進められることがおすすめです。

 そうは言っても安定期以降には、腰痛や体のむくみがひどくなったりすることもあるかと思います。(妊婦さんは、自分とお腹の赤ちゃんの二人分の体を維持する働きをするので、身体に負担がかかってしまうのである程度は止む得ないのですが・・・。)そんな時には、以下のページを参考に、自分で出来る身体のメンテナンスを試してみて下さい。

 それでもダメだったり、1人ではどうも上手く腰痛や体の違和感を改善でき場合には、創楽カイロ研究所に一度お気軽にご相談ください。
 当研究所では、『自然なお産(安産)と子育て応援コース』や安産を目指す妊婦さんの身体作りとココロ作りにも大活躍をする『身体と楽を感じる体操教室』などもご用意しています。このページが自然なお産と安産を目指す妊婦さんとパートナーの方のお役に立てればとてもうれしいです。

●自然なお産01(まず知っておいて欲しいこと)
●自然なお産02(これで安心!安産のために大切なこと)
●自然なお産03(自然なお産・安産に取り組む妊婦さんを応援します)

自然なお産(安産)とは?

妊婦さんの願いは何よりも安産  妊婦さんとパートーの願いは、お腹の中の赤ちゃんが無事産まれてきてくれて、お母さんも無事であるという安産に尽きると思います。しかし、その安産にも色んな解釈があります。陣痛を感じる時間が短い場合や、痛さを感じにくい場合を安産とすることもあるかもしれません。

 私たち一人一人体質や考え方が違う個性を持っているように、お産や安産に関しても100人の妊婦さんがいればやはり100通りのお産があります。だからこれが安産と定義することなどは出来ません。それでも、お産の主役が赤ちゃんと妊婦さんであることを考えると、二人が共同作業としてお産を迎えていることが妊婦さんにも十分感じられることが自然なお産であり、その結果母子ともに無事であった場合を安産と呼ぶのが良いのかなと思うようになりました。

 自然なお産を考える時に、大切にして欲しいこと。それは・・・

  • お腹の赤ちゃんを十分に感じられる身体とココロの柔らかさを持つこと。
  • 自分の身体の変化に気が付くようになること。

 そして、
『自然に逆らわないお産のあり方に気付くこと』です。

分娩台は、不要?自然なお産の体位とは?

 自然なお産に興味がない方や、分娩台を利用した病院があたりまえと思っている人に、『分娩台は不要』などといきなり言うとビックリされるかもしれません。しかし、世界中のどこを探しても『分娩台を利用したお産の方が、医療介入が少なく、安産につながる』という研究データなどは現時点では恐らくありません。

 お産の歴史を少し調べてみれば分かることなのですが、分娩台というのは、医療者側が自分たちが分娩時に産婦さんを効率良く管理しやすいために使い始めた物であり、妊婦さんやお腹の中の赤ちゃんにとって効率の良いものでも都合の良いものでもないのです。

 妊婦さんがお産の時に感じる陣痛は、女性にとって大きな関心の的であることは今も昔も変わっていません。文化人類学などでも未開の文化などを調べるなどしてずいぶん多くの研究データが残っています。それらの研究やヒトの身体的特徴から明らかになっていることが2つあります。

  • しゃがむ姿勢が産道を広げ、分娩の進行が速くなる。
  • 妊婦さんが一番楽だ感じる姿勢が最善の体位である。

 大切なことなのでこれだけは忘れないで欲しいのですが、これは事実です。

 地球上に住む私たちには、重力が常に働いています。ウンチをする時だって、仰向けでいきむよりも、しゃがんで(重力を利用して)いきんだ方が、やっぱりやりやすいことは、誰だって実感として分かっているはずです。
 しかし、そんな当たり前のことが知らないうちに私たちの偏見や常識や医療という力によって簡単に変わってしまうこともたくさん私たちの周りにはあるのです。

妊婦さんの願いは何よりも安産  それともう一つ、自然なお産と安産に関して大切なことがあります。それは、お産時に妊婦さんが心を許している人たちに支援されることが非常に有効であるということ。

 現在は、夫の立会出産が一般的になりつつありますが、夫を含めた男性の立会というものを私はあまりおすすめはしません。これは、多くの人たちが指摘していることであり、研究データもあるのですが、自然なお産や安産のためには、妊婦さんが不安を感じず、安心できるようなお産の環境が必要なのです。
 妊婦さんがお産の立会い時に安心できるのは、信頼できる女性(お産経験者など)や、自然なお産を数多く経験されてきた助産師さんに寄り添ってもらい励ましてもらえるということなのです。

赤ちゃんの科学  さらに詳しく知りたい人は、『赤ちゃんの科学/マーク・スローン』という本を読んでみてください。少し分厚くて、読み切るのに少し気合が要りますが、それでもこれほど丁寧に事実や客観的なデータを分かりやすく説明しているお産の本はおそらくありません。帝王切開後の経腟分娩や陣痛という痛みの大切さなどについても詳しく書かれています。

お産が大切なのはなぜ?

 妊婦さんとパートナーの方には、妊娠期間をおだやかにリラックスして大切に過ごして欲しい、そして迎えるお産を大切にして欲しいなと思っています。その理由は、お産がその後の子どもの成長、母子関係、そしてお母さんのココロと身体の健康に大きく影響を与えるためです。

 お母さんが自分のお産が幸せだったと思え、お腹の赤ちゃんのことを大切に考えながら共同作業として自分たち二人の力でお産をしたと思えると、赤ちゃんのことも自分自身のことも認めることが出来るようになります。自分と赤ちゃんの力を信じて、自分と赤ちゃんを認めてあげるお産を通じての自信がその後の子育てにおいて力強い助けになってくれます。

 妊娠からお産までの時間は、その後に続く長い子育てに比べれは本当にあっというまの出来事です。赤ちゃんが産まれると生活環境も大きく変わります。お産をしっかりと考えることは、その後子どもをどんなふうに育てて行くかということにもつなげて行くことが出来ます。
 だからこそ、出来る範囲で構わないので妊娠期間とお産を大切にして欲しいなと思います。

 自然なお産を考える時、どこで産む・どんなふうに産むと言った『お産のやり方』に注目してしまうかもしれませんが、それよりもはるかに大切なことは、『お産のあり方』であることをお忘れなく!!あなたはどんなお産をしますか?

自分たちに合った助産院や助産師さんの見つけ方とは?

自然なお産や安産では助産院・助産師さん選びが大切です。  『助産院の体験レポート』で書いたことですが、『自分たちの足で情報収集をする』というのが一番確実です。
 『求めよ、さらば与えられん』、やはりこの言葉はある意味正しいような気がします。ネットの情報収集も便利ですが、それは他人が感じている情報であり、自分たちに合うかどうかなどは全く別問題なのです。

 助産院でも分娩台を積極的に利用するところもありますし、自然なお産を応援するといってもそのやり方やあり方は担当される助産師さんによってずいぶん異なるものです。
 だからこそ、助産院や助産師さんを探し始める前に、『どんなお産をしたいのか』、『どんなふうにお産に取組みたいのか』をしっかりと自分/自分たちで考えておくことがとても大切になります。

 自然なお産に取組む時に、自分たちに合った助産院や助産師さんと出会えることはとても運の良いことかもしれません。助産院の数自体が少ないことや自宅出産をサポートしてくれる助産師さんの数自体が少ないのだからこれはある程度仕方のない問題かもしれません。

 しかし、すべてを自分たちの思い通りにしようとするのではなく、現状や現実を受け入れながら、折り合いを付けて行く、上手く交渉しながら妥協点を探し出すというような柔軟性もとても大切なことだと思います。

※余計なお世話かもしれませんが・・・

 地元でもないのに、自然なお産で有名な愛知県の『吉村医院』や東京にある大野先生の『明日香医院』をわざわざ検討しますか?
※追記:明日香医院では、2011年4月以降お産の取り扱いを中止されているようです。詳しい理由は分かりませんが、とても残念な気持ちです。)
 あまり現実的ではないですよね?
 そんな特別なことをしなくても、自然なお産や安産はもっともっと身近なところ、普段の暮らしの中にあるということをどうか忘れないでいてもらいたいと思います。


 また、最近では『院内助産院』や『助産師外来』という制度も整い始めているので、近くでこれらを利用できるかどうかも探してみてはいかがでしょうか?
(※参考記事:『お産の新しい選択枝、院内助産院システム』)
(※参考情報:市立豊中病院 院内助産『はぐみ』)
(※参考情報:『大阪府助産師会』
       →管理情報が最新でないので必ず電話問い合わせを!!)

 次は、『自然なお産02(これで安心!安産のために大切なこと)』へお進み下さい。

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