NHKスペシャルの番組に”病の起源”というシリーズが
あるのですがご存知でしょうか?
先日の番組見られましたでしょうか?
(これまでにもHPやブログでは何度か紹介済みなのですが)
病気を進化の過程から捉え直すこのシリーズは、
ヒトが動物であることを再認識させてくれるために、
私は大好きなのですが、今年再開されているのを忘れており、
続けて2回ほど見逃したままになっています。残念!
今回は、日本でもこの10年で深刻な社会問題にも
なりつつあると言われている身近な『うつ病』が
取り上げられていました。
身近な存在になりつつあるにもかかわらず、
うつ病は薬で治療するのがまだまだ一般的なように思います。
忘れないうちに、番組の要点をまとめておきます。
よろしければ、参考にしてみて下さい。
■うつ病のメカニズムは?
うつ病の人は、脳の扁桃体の活動が強いことがわかっている。
扁桃体は、恐怖や不安に強く反応し、
危険を感知するとストレスホルモンを分泌する。
扁桃体の暴走→ストレスホルモンの過剰分泌が継続→神経細胞がダメージを受け萎縮する
以上のように、ストレスホルモンが分泌され続けると、
脳の神経がダメージを受け萎縮し、うつ病になる。
では、どんなことで生き物やヒトはストレスを感じるのかと言うと・・・
■何がストレスとなるのか?
1つ目は、『天敵』。
(これは説明不要ですよね?
魚でも天敵がいる環境にさらされ続けると
ストレスを感じることが紹介されていました。)
2つ目は、『孤独』。
共同生活をする哺乳類では、
孤独になると不安が強くなり、孤独がストレスになり、そして、うつ病にもなる。
3つ目は、『記憶』。
恐怖や不安など扁桃体が強く反応することに対して、
海馬が反応し、それは記憶となる。
ヒトは、危険や恐怖を避けて生き延びるために、
記憶というものを発達させてきた。
4つ目は、『言葉』。
ヒトは言葉を使うようになると、
他人から聞いた言葉や、読んだ言語からも自分の記憶と
照らし合わせることで、恐怖や不安を感じるようになる。
ヒトが進化の過程で獲得した言葉が、
扁桃体を強く反応させるストレスにもなっている。
このようにしてみると、
進化は必ずしも良い面ばかりではないのも明らかです。
■扁桃体がストレスを感じない状態とは?
ストレスを感じて、扁桃体が暴走(過剰反応)するのが
うつ病の原因であるなら、逆に、扁桃体が反応しない状態とは?
平等や公平であれば、扁桃体は反応しない。
(これは、狩猟採取生活に近い状態の人々などの
研究からも明らかにされています。)
狩猟採取生活では、平等が保たれていますが、
(食べ物を分け合い、集団が生き残れるようにするため)
農耕社会では、貧富の差が生じ平等は保たれなくなります。
■進化の視点から見たうつ病の治療とは?
・脳深部刺激(DBS)
→脳に電極を埋め込んで、扁桃体の活動を調整する方法。
・生活改善療法(TLC)
→地域や社会とのつながり、規則正しい生活、定期的な運動を
組み合わせることでストレスを改善させる方法。
などが、番組では紹介されていました。
(※参考:『NHKスペシャル 病の起源 第3集 うつ病』)
薬によるうつ病の治療をアピールしていなかった点や、
『うつ病は防衛本能の宿命』ということには、
とても共感と納得が出来る番組内容でした。
しかし、
その治療法が、脳深部刺激や生活改善というのに、
ちょっと拍子抜けされた方もおられるのではないでしょうか?
現時点では、脳深部刺激は、
手軽に利用できるわけではなく、
対処療法のように私には思えます。
規則正しい生活や動くという動物の基本を忘れずに、
ストレスをうまく解消していくことが、
やはりうつ病改善の根本だと私も考えています。
ストレス症状と呼ばれるような、
自律神経失調症やうつ病(うつ症状)の改善に取り組まれるなら、
こちらも参考にしてみて下さい。
『自律神経失調症やうつ症状でお困りの方へ』
創楽カイロプラクティック研究所
TEL.06-6226-7750
豊中市岡町北3-5-17-103(おかまち保育園南隣です)